【ご参考資料 】 フィアット、VEBAトラストからクライスラーグループLLCの持分残を取得へ

2014年1月6日
Corporate

イタリア トリノおよび米国ミシガン州デトロイト、2014年1月1日 — フィアットS.p.A.(以下「フィアット」)は本日、同社の完全子会社であるフィアット・ノース・アメリカLLC(以下「FNA」)が現在未保有のクライスラーグループLLC(以下「クライスラーグループ」)の41.4616% に相当するVEBA Trust[1](以下「VEBAトラスト」)のクライスラーグループ持分株式全てをFNAが取得することに、VEBAトラストと同意したことを発表しました。

クライスラーグループの株式売却において、VEBAトラストは、以下のとおり対価総額36.5億米ドルを受け取ります。

クライスラーグループからメンバーに支払う特別配当金、総額約19億米ドル(特別配当金のFNAの取分は、購入対価の一部としてFNAからVEBAトラストに支払い)[2]
  • 手続き完了時点にてFNAはVEBAトラストに対し、購入対価残約17.5億米ドルを現金で支払い
  • フィアットは手元資金から現金17.5億米ドルを支払う予定です。クライスラーグループは、手元資金から特別配当金を支払う予定です。

    上記の手続きと同時に、クライスラーグループと国際労働組合、全米合同自動車・航空機・農業機械労働者国際組合(以下「UAW」)は、クライスラーグループからVEBA トラストに対する追加拠出金総額7億米ドルを、4年間の年次均等払いを定めるクライスラーグループの既存の団体交渉合意に基づく覚書に合意しました。頭金はフィアットとの手続きが完了次第支払われ、追加金額は今後3年間をかけて各頭金支払応答日に支払われます。なお、クライスラーグループは手元資金からVEBAトラストに 対して最初の拠出を行う予定です。

    これら拠出金に関して、UAWは以下の点なども含み、クライスラーグループの生産工程や更なるフィアットとクライスラーの提携を引き続き支援する一定レベルのコミットメントに合意することになります。

    ・ フィアット クライスラーの世界クラス生産(以下「WCM」)プログラムの継続的実施に協力するために最善を尽くす

    ・ 客観的な業績評価を実現しWCM理念の適切な適用を定めるため、これらプログラムをあらゆるフィアット クライスラー製造拠点で実施するベンチマーク的取組みに積極的に参加

    ・ グループの長期事業計画の達成を積極的に促進

    フィアットの会長であるジョン・エルカンは「2009年に、クライスラーの再建を支援すべく選ばれたその瞬間からこの日を待ち望んでいました」と述べ、「過去4年半にわたるクライスラーの取り組み、コミットメントおよび成果を目の当たりにしてきましたが、素晴らしいの一言に尽きます。この場を借りクライスラーの皆さん一人一人を、統合されたフィアット クライスラーに正式に歓迎いたします」と述べました。

    フィアットのCEOおよびクライスラーグループの会長兼CEOであるセルジオ・マルキオーネは、次のように述べました。「いかなる組織においても、またそこで働く人々の生涯においても、歴史に記されるべき決定的瞬間というものがあります。フィアットやクライスラーにとってVEBAとここに取り交わした合意は、まさしくこうした瞬間の一つです。統合プロジェクトは本日最終的な形になりましたが、ここに至るまでに数々の支援や固い決意の元に貢献したリーダーシップチームに対し、深く感謝します。今回の統合により、グローバル自動車メーカーを創造するという当社のビジョンを徹底的に実現できる体制となりました。全従業員が働き甲斐を見出し、報われる環境を実現するオープンな組織として、経験、見識、ノウハウを共有し独自性の高い組織を目指します」

    取得手続きの一部として、FNAとVEBAトラストは、フィアットがFNAを通じてVEBAトラスト保有のクライスラーグループ株式を取得するため3回のコールオプションを行使するコールオプション契約の解釈をめぐるデラウェア裁判所での現在の訴訟を、棄却することに合意する予定です。これら株式の全ては、上記手続きにともないFNAが取得することになります。

    本手続きの資金提供の取決めを条件として、フィアットは株主割当増資による自己資本調達は必要ないものと考えます。

     

    以上

     

     

    当報道資料は、2014年1月1日(現地時間)にフィアットおよびクライスラーグループが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は以下URLをご参照ください。

    http://www.fiatspa.com/en-US/media_center/FiatDocuments/2014/Gennaio/Fiat_to_acquire_remaining_equity_interests_in_Chrysler_Group_LLC_from_VEBA_Trust.pdf

    [1]    任意雇用者福利厚生基金であるUAW退職者医療保険トラストは、クライスラーの退職者の健康保険を支払うために設立された独立運用信託です。

    [2]     クライスラーグループからの特別配当金が目標手続き完了日(2014年1月20日以前)までに支払えない場合、フィアットはVEBAトラストに対し対価総額を支払い、それ以降は、クライスラーグループを完全子会社化とした後に特別配当金を受け取ることになります。