ステランティスとパートナー企業によって新設されたテストコース
「アレーナ・デル・フートゥロ」で革新的なワイヤレス充電が現実のものに

2021年12月15日
Corporate

※当文書はアムステルダムにて発表された英語版プレスリリースの翻訳です。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語版が優先されます。また、内容および用語が日本市場における定義と異なる場合もあります。

  • A35 Brebemi社がステランティスとパートナー企業と共同で建設した「Arena del Futuro(未来のアリーナ)」の落成式が行われ、動的誘導充電方式(ワイヤレス給電)の実証実験を開始しました。
  • 全長1,050メートルのテストコースはアウトストラーダ(高速道路)A35のキアーリ・オーヴェスト出口付近の私有地に設置されており、1MWの電力が供給されています。
  • DWPT(ダイナミック・ワイヤレス・パワー・トランスファー:動的ワイヤレス充電)により、電気自動車は舗装路の下にコイルが埋設されたレーンを走行することで、走行中にワイヤレス充電されます。
  • DWPTはモビリティ分野における脱炭素化と環境持続性の要求に迅速かつ具体的に応えるために開発された主要技術の1つです。
  • ステランティスがこのプロジェクトに参加するのは2021年7月のEV Dayで開示した電動化戦略の一環です。

2021年12月2日、トリノ発――ブレシアとミラノを結ぶ高速道路であるアウトストラーダA35を運営するA35 Brebemi社が、ステランティスをはじめとする国際的なパートナー企業と公的機関や大学などと協力して、長年にわたる研究の末に建設したテストコース、「アレーナ・デル・フートゥロ(未来のアリーナ)」が現実のものとなりました。その目的は、ダイナミックインダクション(ワイヤレス給電)システムによる、走行中の電気自動車のワイヤレス充電の実証試験です。

道路に埋設するワイヤレス給電システムを規定し、給電回路を敷設した後にプロジェクトの第3段階が開始され、今後は給電システムの実証試験が行われます。それに先立ち、全長1,050メートルのサーキットの開通式が行われました。このサーキットは、アウトストラーダA35のキアーリ・オーヴェスト出口近くにある私有地に開設され、1MWの電力を供給しています。アレーナ・デル・フートゥロで電気自動車が走行中に充電するための革新的な技術の実証試験がこれからスタートするのです。

そのために最初の実験用車両である新型Fiat 500とIveco E-Wayバスが用意され、すでに何キロも走行しており、これまでのところ想定以上の結果が得られています。今回の実証実験を通じて、Arena del Futuroの目玉であるDWPTシステムが、モビリティ分野における脱炭素と持続的な環境保全に対する最適解のひとつであることを立証するのが目的です。

このプロジェクトへの参加は、2021年7月8日のEVデーでステランティスが開示した電動化戦略の一環でもあります。ステランティスは航続距離が長く、高速充電が可能な最先端の自動車を顧客に提供するだけでなく、要求の厳しい顧客のあらゆるニーズを満たすことができるサービスのエコシステムを構築することにコミットしています。ステランティスは2025年までに電動化とソフトウェア開発に300億ユーロ以上の投資を予定しており、脱炭素化計画を支援すると同時に、世界中でクラス最高の顧客満足を実現することを目指しています。

ステランティスのグローバルe-Mobilityビジネスユニットのリーダーであるアンネリーセ・リチャードは、「アレーナ・デル・フートゥロでスタートする実証実験は、お客様が懸念されている航続距離と充電の問題に具体的な答えを提供するものです」と述べています。さらに、ステランティスのEV Dayでの発表を受けてアンネリーセ・リチャードは、「私たちは未来のモビリティを形作る作業を加速させています。その意味で、DWPTシステムはお客様のニーズに具体的な回答を提供したいという私たちの願いに沿うものだと考えています。電気自動車が走行中に充電できるということは、充電時間やバッテリーサイズの点で明確なメリットがあるのです」と述べています。

DWPTシステムのような革新的なサービスを提供することで、ステランティスがEV Dayで発表した、2030年までに欧州で販売する車両の70%以上、米国で販売する車両の40%以上をLEVにするという野心的な目標が視野に入ってきます。

DWPTは舗装路の下に埋設されたコイルにより、電気自動車を走行中に「ワイヤレス」で充電することができます。この技術は道路下のコイルから入ってくるエネルギーをバッテリーに転送する特殊な「レシーバー」を装備したすべての車両に適用することができ、「ゼロエミッション」のモビリティシステムを可能にします。同時に、IoT技術を活用することで高度なコネクティビティを実現し、アウトストラーダを走行中の車両との間で常に対話が行われ、最大限の安全性が保証されます。また、ワイヤレス充電の効率や効果を変えることなく、路面の耐久性を高めることも可能です。

このプロジェクトは「ゼロエミッションモビリティ」を実現するために、人と物が共同でイノベーションする具体例と言えます。A35 Brebemi社とステランティスは、ABB、Electreon、FIAMM Energy Technology、IVECO、IVECO Bus、Mapei、Pizzarotti、ミラノ工科大学、Prysmian、TIM、ローマ・トレ大学、パルマ大学、そして消防庁や警察庁とともに、アメリカのTime誌が選ぶ「2021年で最も重要な発明100選」のひとつである「アレーナ・デル・フートゥロ」で、今、極めて重要かつ大きな一歩を踏み出したのです。

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Stellantisについて

ステランティスは世界をリードする自動車メーカー、モビリティ・プロバイダーとして、明快なビジョンのもと設立された。ビジョンは、個性豊かで信頼性の高いモビリティ手段を手の届く価格で実現することにより移動の自由を提供することである。グループの持つ豊かなヘリテージと幅広い地理的プレゼンスに加え、ステランティスの最大の強みは、持続可能な事業内容と世界に拡がる経験豊富で多彩な従業員たちにある。ステランティスは幅広くかつアイコン的認知を誇るブランドポートフォリオを傘下に持つが、そのいずれのブランドも情熱と競争心に富むビジョナリーによって創設され、従業員も 顧客も魅了してきた。ステランティスが目指すのは規模ではなく最も優れた企業となることであり、全てのステークホルダーと事業を行う全てのコミュニティに対して付加価値を創造する。

以上